お世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮ですが、その起源を辿ると、お中元と共に広まったとされています。 お中元とお歳暮のルーツにあるのは、中国の道教。道教には3人の神様がいて、旧暦1月15日の上元、旧暦7月15日の中元、旧暦10月15日の下元と、それぞれの神様の誕生日に祭礼を行なうという慣習がありました。それが、日本に古くからあった、夏と冬に神様やご先祖様にお供え物を捧げる慣習と合わさって、お中元とお歳暮になっていったと言われています。
諸説あるのですが、日本でお歳暮の歴史が始まったのは、室町時代といわれています。分家した親族や、他の家に嫁いだ娘などが、本家や親に神様やご先祖様へのお供え物の品を贈っていたそうで、それが江戸時代になると、商人が挨拶回りをする際にお得意様へ贈り物をするようになりました。そして、明治時代には両親や親族だけでなく、会社の上司や取引先といったお世話になった人に贈り物をするという現代の「お歳暮」になったとされています。
お歳暮を贈るにあたって気になるところが、予算ではないでしょうか。相場としては、親戚や知人は3,000~4,000円、両親や上司は5,000円程度、特にお世話になった人には5,000〜10,000円がよいとされています。もうひとつ気になるのが、お歳暮を贈る期間。
一般的にはお正月の準備を始める「事始め」にあたる、12月13日〜20日までが良いとされているのですが、関東の場合は12月初旬〜12月31日、関西の場合は12月13日〜12月31日と、地域によって少し違いがありますので気をつけましょう。
お歳暮はあくまでも感謝の気持ちを表わすものなので、誰に何を贈らなければいけないという決まりは特にありません。両親や親戚、結婚式の仲人など、自分がお世話になったと思う方に一年の感謝を込めてお渡ししてください。そのなかでも、会社の上司や取引先へ贈ることが多いかと思いますが、最近はお歳暮を受け取ることを禁止している企業もありますので、初めて贈る方には事前に確認しておきましょう。
しっかりと準備していたつもりでも、「しまった! ◯◯さんのことを忘れていた!」ということもありますよね。そんなときもご安心ください。もし、お歳暮が年内に間に合わなさそうな場合は、関東の場合は松の内(1月1日〜1月7日)までに、関西の場合は小正月の1月15日までに、お歳暮ではなく「お年賀」としてお贈りすれば大丈夫です。
日本に古くからあるお歳暮の風習ですが、受け取りを禁止する企業もあるように、近年は減少傾向にあるようです。理由はわからなくもないですが、このままなくなってしまうのは少しさみしい気もします。お正月に初詣に行くように、お歳暮を日本らしい文化のひとつとして楽しむほうがいいかもしれませんね。