寒かった冬も、まもなく終わり。もうすぐ暖かくなってくるんだなと思うと、自然と気持ちがワクワクしてきますが、それと同時に、深いため息をついてしまう人も多いかもしれません。その理由は「花粉症」です。
「花粉が飛ぶくらいなら春なんて来なくていい!」と叫びたくなる人もいらっしゃるかと。現在、日本では4人に1人が悩まされていることもあり、「国民病」とも言われる花粉症ですが、そもそも花粉症とはいったい何なのでしょうか。
花粉症とは、季節性アレルギー鼻炎のこと。そもそもアレルギーとは、本来であれば無害な物質を、身体が異物と見なしてしまい、体内に侵入してきたそれらを外に排除しようと、過剰な反応を起こしてしまうことです。
つまり、花粉症の主な症状である「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」や、「目のかゆみ」「涙」といったものは、すべて体内に入ってきた花粉を取り除くために起こっているアレルギー反応なのです。
去年までは何の問題もなかったのに、今年突然花粉症になってしまった方も多いかと思いますが、これには理由があります。花粉が目や鼻から入ってくると、それに対抗するために、体内で「IgE抗体」というものが作られます。
IgE抗体は、花粉と接触するたびに作られていくので、身体の中に少しずつ蓄積されていきます。そして、その蓄積量が一定のレベルに達してしまった状態で花粉が入ってくると、アレルギー反応が起こってしまうんです。
花粉症の中で、最も多くの人を悩ませているのがスギの木から飛ぶ花粉が原因で起こる「スギ花粉症」。スギから大量の花粉が飛んでいる映像を見るだけで鼻がムズムズしてしまう、なんていう方も多いと思います。
しかし、日本では「花粉症=スギ花粉」という印象がありますが、スギ花粉症に悩む人が多いのは日本をはじめとしたアジアの一部だけ。世界の他の地域ではスギがあまり生えておらず、地域によって花粉症の主な原因は異なります。
なんとなく花粉症に悩む人が年々増えている気がしませんか? 事実、スギ花粉に悩まされている人は、ここ10年で2倍近く増えているとも言われています。大きな原因として挙げられるのは「樹齢の古いスギが増えたから」とのこと。
第二次世界大戦後、住宅を建てるためにたくさんのスギが植えられました。まだ研究段階ですが、スギは樹齢が高くなると花粉の飛散量が増えるそうで、そういったスギの木が日本各地にあることが要因のひとつと考えられています。
昔は地面が未舗装で、花粉が地面に落ちても土で吸収されていましたが、現在はコンクリートやアスファルトで舗装されているため、吸収されずに再び舞ってしまいます
現在、大気中にはさまざまな化学物質が浮いています。花粉がその物質と触れることで破裂し、より細かな粒子になって、鼻や喉を簡単に通り抜けてしまいます。
ストレスが溜まることで粘膜の防御機能が落ちてしまったり、睡眠不足で身体の免疫バランスが崩れてしまったりと、生活習慣は花粉への抵抗力と密接な関係があります。
花粉症対策で最も大切なのは、花粉を目や鼻に触れさせないこと。一番メジャーな方法は、やはりマスクの着用ですよね。使い捨てタイプのものを使われる方が多いと思いますが、マスクは毎日新しいものを使うようにしましょう。
目に関しては、花粉対策用のメガネが多数販売されています。これは通常のメガネよりも、かけても隙間が少ない構造になっています。他にも鼻うがい専用の液剤や、首にかけるタイプの空気清浄機など、様々なアイテムが出ています。
外から帰ってきたら、まずは玄関で髪や服についた花粉をしっかりと落として、室内に持ち込まないようにしましょう。そして、そこで落とした花粉が舞わないように、玄関に空気清浄機を置いておくことがおすすめです。
最近の空気清浄機には花粉やカビを分解してくれるタイプのものがありますので、ぜひそちらを。また、除湿機/加湿器の機能を兼ね備えているものもあり、湿度を与えることで花粉が舞うのを防ぐこともできますよ。
花粉症対策として市販薬を飲まれる方も多いと思いますが、眠くなってしまうことが多いですよね。そんなときは花粉症に効果的とされているサプリメントを、花粉が飛び始める前に摂取しておくことも効果的です。
花粉症はヒスタミンというアレルギー物質が原因なのですが、それを抑制する効果のある「アスタキサンチン」や「DHA」や「EPA」、あとは免疫力アップやアレルギー緩和に繋がる「乳酸菌」や「ビフィズス菌」が良いと言われています。
花粉症の悪化を防ぐために大切なのは、花粉からいかに自分の身体を守るのかということ。そしてそれと同時に、たとえば睡眠時間の確保やストレス軽減など、心身ともに健康的な生活を送ることが大切とされています。
それが簡単にできれば苦労はしないのですが、自分の生活がよりよいものになるように推敲してみるのは大切なこと。季節はまもなく春です。これを機に、これまでの生活スタイルを見直してみるのもいいかもしれませんね。
花粉症に負けない 健康的な生活を心がけましょう!